8-3. 融合タンパク質の作製
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ベクターにすでに備わっている既存タンパク質(あるいはペプチド)生産系を借用し、既存タンパク質と融合するようにして新奇タンパク質を発現させる方法 簡単で扱いやすい
1) β-ガラクトシダーゼ(β-gal)融合タンパク質
https://gyazo.com/dea3f2a86395f72c1993caa24c2cc328
適当な方法で、精製タンパク質を得る
2) タグ付きタンパク質とその精製
タグをコードするベクターを用い、コード領域の先頭(頭部分はATG)、あるいは最後尾にある制限酵素認識部位に、読み枠を合わせて目的のcDNAを挿入する 主なタグとその利用法
小型タグで、タンパク質本来の性質がそのまま出やすい
精製用のタグとして優れている
ニッケルカラムを用いたHisタグ付きタンパク質の精製
GSTと特異的に結合するグルタチオンを使ってタンパク質をカラムから外す タンパク質が不溶化しにくくなる
特異的抗体を用いた免疫沈降やタンパク質検出などに利用される 蛍光で検出でき、生細胞中でも使えるので、細胞内存在部位を観察することができる
タグの利点
抗体を使った高感度のタンパク質の検出が主な利用法であり、抗体が利用できない場合は、唯一の検出方法 タグとの特異的結合を利用すると、目的タンパク質の精製ができる
GFPタグは生細胞中での検出が可能
タグの欠点とその克服法
タグによる人為的性質が現れることがあるが、生成した後でタグをペプチドから切り離すことが可能
3) ファージディスプレイ
ファージの殻タンパク質に異種タンパク質が融合したファージをつくらせ、異種タンパク質をファージ表面に出させ、そのタンパク質との結合性を指標にファージ産生細胞を選択する手法をファージディスプレイという https://gyazo.com/1601bc972ba7a5b75c932369929e7b88
抗体遺伝子に応用すると、動物への免疫操作を経ずに単クローン抗体を得ることができる